白内障とは
加齢による水晶体の濁りが主な原因です。80歳以上の方の多くが白内障を発症すると言われていますが、40歳ぐらいから発症するケースもあります。- 目がかすむ
- 眩しく感じる
- 視界がぼやける
- ものが二重に見える
- 眼鏡が合わなくなった
- 細かい文字が見えにくい など
原因と種類
老人性(加齢性)白内障
水晶体の濁りは加齢による自然な老化現象で、誰にでも起こりうるものであり、個人差が大きいです。90代でも日常生活に支障がない人もいれば、40代で見えにくさを感じる人もいます。このような老化現象による白内障を老人性（加齢性）白内障と呼び、白内障の大半がこのタイプに分類されます。
先天性白内障
遺伝などが原因で水晶体が生まれつき濁っている状態を先天性白内障と呼びます。
若年性白内障
ぶどう膜炎などの眼科疾患、糖尿病やアトピー性皮膚炎などの病気、治療に使用した薬剤などが原因で白内障を発症することがあります。
外傷性白内障
スポーツ中の事故や交通事故など、目に受けたケガや衝撃が原因で水晶体が濁り、白内障を発症することがあります。
検査
- 視力検査
- 屈折・眼圧検査
- 水晶体の濁りを確認する細隙灯顕微鏡検査
- 網膜を確認する眼底検査
手術が必要と判断された場合には、以下の検査も追加で行います。
- 角膜表面の形を確認する角膜形状解析
- 角膜の内皮細胞が通常より減少していないかを確認する角膜内皮細胞検査
- 眼の長さである眼軸を計測する眼軸長検査
治療
白内障は、日帰り手術で水晶体を人工の眼内レンズに取り替えることで治すことができます。日本では毎年100万人以上の方が受けており、安全で効果的な治療法です。
白内障の日帰り手術
当院では、安全性が高く侵襲が少ない白内障手術を日帰りで実施しています。手術は点眼麻酔を使用して行うため、痛みを感じることはほとんどありません。
水晶体を覆う水晶体嚢という膜を切開して、専用器具を挿入し超音波で細かく砕いて吸引します。水晶体嚢に人工の眼内レンズを入れて固定させます。
入院の必要はなく手術後はご自宅に帰ることができます。
また、眼内レンズは交換・ケアの必要がなく、そのまま使用し続けることができます。
ハイリスク白内障手術にご対応しております
当院では、水晶体を固定する繊維が弱っている方や症状が進行した白内障など、手術が難しくなるハイリスクな白内障の手術にも対応しています。経験豊富な医師による安全性の高い手術に加え、不測の事態にも素早く対応する体制を整えています。高齢者の方にも対応可能な日帰り手術を行っており、手術に不安がある方や他院で手術が難しいと言われた方もお気軽にご相談ください。
ハイリスク白内障の例
- 核が硬い方
- 浅前房
- 狭隅角
- 成熟白内障
- 膨化白内障
- 眼外傷歴のある方
- 偽落屑症候群の方
- 眼の手術歴がある方
- 前立腺のお薬を使用している方
- 水晶体を固定する繊維（チン小帯）が弱い方 など
白内障日帰り手術の流れ
手術
手術当日は予約時間より少し前にご来院ください。手術の準備として瞳孔を広げるための点眼薬を点眼していただきます。洗眼や消毒、点眼麻酔を行った上で手術を行います。
創口作成
専用の機械を使用して角膜を小さく切開し、創口を作成します。
前嚢切開
水晶体を覆う前嚢と呼ばれる袋の前方に、円形の穴を開けます。
水晶体乳化吸引
超音波で水晶体を粉砕し、皮質という柔らかい部分を吸引除去します。
眼内レンズ挿入
取り除いた水晶体の位置に、事前に選んだ眼内レンズを挿入します。
ご帰宅
手術後は少しお休み頂き、ご帰宅です。医師から指示された点眼や注意事項に従って安静に過ごしてください。
白内障日帰り手術の術後について
手術時の切開部分は自然に塞がり出血もほとんどありませんが、感染のリスクがありますので、帰宅後は医師の指示通り内服薬や点眼薬を使用してください。手術後の見え方には個人差があり、慣れるまではしばらく時間がかかりますが、違和感などがあればお気軽にご相談ください。
費用
単焦点眼内レンズ（保険適応）
| 1割負担 | 約15000円 |
|---|---|
| 2割負担 | 約18000円 |
| 3割負担 | 約45000円 |
※費用は治療内容によって変動する可能性があります。
※生命保険に加入されている方は、手術給付金を受け取れる場合がありますので、事前に加入されている保険会社にお問い合わせください。
単焦点眼内レンズ・多焦点眼内レンズ
白内障手術で使用する眼内レンズには、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2種類があります。両者の見え方は異なりますので、手術前に医師と十分に相談して、最適なレンズを選ぶようにしてください。
単焦点眼内レンズ
単焦点眼内レンズは1つの距離にピントを合わせるタイプで、手術前に患者様が希望する距離に合わせて設定します。ピントが合わない距離では眼鏡をかける必要があります。
多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズは2つ以上の距離にピントを合わせることができ、眼鏡を使わない・眼鏡の使用頻度を減らすことができます。多焦点眼内レンズには、遠方から近方の2ヶ所と、遠方と近方と中間距離の3ヶ所、5ヶ所にピントを合わせられるものがあります。ただし、単焦点眼内レンズに比べると、シャープさがやや劣り、暗い場所ではぼんやりとした視界になることがデメリットです。また、慣れるまでに少し時間がかかります。手術前には、左右の視界を合わせられるように目の状態をしっかりと検査し、手術戦略を決定することが重要です。
