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目の自覚症状がなく進んでいく「糖尿病網膜症」

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こんにちは。葛西駅前たなか眼科院長の田中宏樹です。

第5回のブログは「糖尿病網膜症」についてお話します。

 

 

 

糖尿病網膜症とは

 

 

糖尿病網膜症は、糖尿病によって目の奥の網膜に張りめぐらされた血管が障害される病気です。

初期のうちは、見え方に異常を感じないまま進行していくのが特徴で、進行すると、視界がかすんだり、線がゆがんで見えたり、虫が飛んでいるように見えたりします。

症状は、以下の3段階で進行します:

 

  1. ①単純網膜症:毛細血管の障害が始まる。

  2. ②増殖前網膜症:血管の詰まりや酸素不足が生じる。

  3. ③増殖網膜症:新しい異常な血管が発生し、硝子体出血や網膜剥離を起こす。

 

 

糖尿病と診断された時点で、目の異常がなくても早めに眼科を受診し、進行の有無を確認することが大切です。

進行度に応じた治療と血糖コントロールが重要

 

糖尿病網膜症の診断には、まず瞳孔を広げて眼底の血管や網膜の状態を詳しく観察する眼底検査が行われます。

近年、造影剤を使用せずに網膜血管の血流を三次元的に解析できる「OCTA(光干渉断層血管撮影)」が登場し、これにより、患者の負担が少なく、微細な変化も早期に把握できるようになりました。

当院でもこの最先端技術を導入しています。

治療は進行段階によって異なります。

単純網膜症:経過観察を行い、血糖コントロールを続けることが基本。

増殖前網膜症:レーザー光凝固術や薬物注射が選択される。前者はレーザーにより新生血管の発生を防ぎ、すでにできた血管を退縮させるもので、点眼麻酔で外来でも実施できる。薬物注射は黄斑部のむくみを抑えたり、新生血管を縮小させたりするもので、効果が一定期間続くが、再発時には再投与が必要となる。

増殖網膜症:最も重症の段階で、硝子体出血や網膜剥離を治すために硝子体手術を行う。

 

 

 

 

糖尿病と診断されたら眼科も受診してほしい

 

 

「いずれの治療も、血糖値の改善が大前提。血糖値が安定しなければ、どの治療を行っても効果が十分に得られません」

 

 

糖尿病網膜症が見つかるきっかけは大きく2つ。

1つは、健康診断で血糖値の異常や眼底の異常を指摘され受診した場合、もう1つは内科で糖尿病と診断され眼科受診を勧められて検査を受けた結果、判明したというケース。

一方で、自営業などで定期的な健診を受けない人は、発見が遅れやすい傾向があります。

糖尿病と診断されたら、目の症状がなくても眼科の受診をおすすめします。自覚症状がない段階での診察こそ視力を守る第一歩です。

その他にも気になる症状や検査のご希望などがあれば、当院へお気軽にご相談ください。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

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